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糖尿病に潜む心不全を見つけるには?NT-proBNPと心エコーの役割を解説

糖尿病に潜む心不全を見つけるには?NT-proBNPと心エコーの役割を解説|足立区の内科・循環器・脳神経外科|心臓・脳・血管のしばはし内科

2026年9月24日

糖尿病に潜む心不全を見つけるには?NT-proBNPと心エコーの役割を解説

疑問|糖尿病と息切れ・むくみには関係がある?

「糖尿病で通院しています。最近、階段を上ると息切れし、足もむくみます。年齢のせいでしょうか?」

糖尿病の方では、心臓の働きが悪くなり、息切れやむくみなどを起こす「心不全」にも注意が必要です。症状があっても、心不全と気づかれていない場合があります。

今回は、心臓・血管の病気の分野で国際的に評価の高い医学誌「Journal of the American College of Cardiology(JACC)」に掲載されたTARTAN-HF研究をご紹介します。

結論|詳しい検査で、診断されていなかった心不全が見つかりました

糖尿病に加えて心不全のリスクを高める持病などがある方では、血液検査と必要に応じた心エコーにより、これまで診断されていなかった心不全が多く見つかりました。

検査を追加するグループでは、約4人に1人が心不全と診断されました。これは、腎臓病や心臓の血管の病気などがある方を対象とした研究の結果です。

結果|糖尿病と心不全のリスクがある706人を調べた研究

英国・スコットランドで、40歳以上の糖尿病の方706人(年齢の中央値71歳)を対象に行われました。約9割が2型糖尿病で、これまで心不全と診断されたことがない方が参加しました。

参加者には、糖尿病に加えて、腎臓病、心筋梗塞などの心臓の血管の病気、心房細動など、心不全のリスクを高める条件が少なくとも1つありました。

心臓への負担の目安となる血液検査(NT-proBNP)を行い、その値が一定以上なら心エコー(心臓の超音波検査)を追加する方354人と、通常の診療を続ける方352人に無作為に分けました。6か月以内に心不全と診断された人数を比較しました。

調べた結果検査を追加
354人
通常の診療
352人
6か月以内に
心不全と診断
24.6%
87人
0.6%
2人

※表は心不全が新たに診断された割合です。研究参加前からあった心不全の発見も含みます。

心不全が診断された割合は、検査を追加した方で統計学的にも明らかに高くなりました。診断では、血液検査に加え、息切れやむくみなどの症状・診察所見と、心エコーの異常を確認しています。

見つかった87人のうち81人は、心臓の収縮力(血液を押し出す力)が保たれたタイプの心不全でした。心不全と診断された方では、息切れや疲れやすさ、足首のむくみが多くみられました。

今回の24.6%は、心不全のリスクが高い方を対象とした海外の研究の結果で、糖尿病の方全体の割合には当てはめられません。また、この検査方法によって入院や死亡を減らせるかどうかは、今後さらに検証が必要です。

当院からのメッセージ|糖尿病の方は心臓の状態にも目を向けましょう

糖尿病の診療では、血糖値とともに、心臓や腎臓の状態を確認することも大切です。以前より息切れする、足がむくむ、疲れて動く量が減ったと感じる方は、ご相談ください。

足立区・谷在家の「心臓・脳・血管のしばはし内科」では、症状やこれまでの病歴を伺い、血液検査、心電図、心エコーなどの必要性を判断します。糖尿病の治療状況も踏まえ、一人ひとりに合った診療を考えます。

受診の際は、健診結果やお薬手帳をお持ちください。病気や検査については、糖尿病の診療、心不全・心臓弁膜症の診療のページでもご案内しています。

参考文献

Taylor-Sweet D, Petrie MC, McKinley G, et al. Targeted Assessment in High-Risk Patients With Diabetes to Identify Undiagnosed Heart Failure (TARTAN-HF). J Am Coll Cardiol. Published online August 19, 2026.

執筆:副院長 柴橋 英次(循環器専門医・医学博士)
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