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70歳以上でもコレステロールの薬は必要?予防効果を解説

70歳以上でもコレステロールの薬は必要?予防効果を解説|足立区の内科・循環器・脳神経外科|心臓・脳・血管のしばはし内科

2026年9月22日

70歳以上でもコレステロールの薬は必要?予防効果を解説

疑問|70歳以上でもコレステロールの薬は必要?

「これまで心筋梗塞や脳卒中になったことはないけれど、70歳を過ぎてもコレステロールの薬を飲む意味はあるのでしょうか?」

コレステロールを下げる薬の一つに、「スタチン」と呼ばれる種類があります。今回は、70歳以上の方で、スタチンが心臓・血管の病気の予防や、健康に生活できる期間にどう影響するかを調べた研究です。

臨床医学分野で世界的に評価の高い医学誌「The New England Journal of Medicine(NEJM)」に掲載されたSTAREE研究を、わかりやすくご紹介します。

結論|70歳以上でも予防効果が示されました

今回の研究では、70歳以上の方でも、コレステロールを下げる薬によって心筋梗塞などの心血管イベントが減りました。心血管イベントとは、心臓・血管に関わる病気の発症や治療などをまとめたものです。

一方で、認知症や長く続く身体機能の障害なく生存する期間が延びることは、確認されませんでした。年齢だけで治療の必要性を決めず、持病や生活の状況も踏まえて考えることが大切です。

結果|70歳以上の9,971人を調べた研究

オーストラリアの70歳以上、9,971人(平均74.7歳)を対象とした研究です。心血管疾患・糖尿病・認知症の既往がなく、自立して生活している方が参加しました。

アトルバスタチン(コレステロールを下げる薬)1日40mgを目標に服用する方と、比較用の錠剤であるプラセボ(薬の成分を含まない錠剤)を服用する方に無作為に分け、中央値5.9年間追跡しました。

調べた結果コレステロール
の薬を服用
4,984人
比較用の錠剤
(プラセボ)
4,987人
心筋梗塞などの
心血管イベント※
6.0%
297人
8.3%
412人
死亡・認知症・長く続く身体機能の障害のいずれか12.8%
637人
13.6%
676人

※心血管疾患による死亡、死亡に至らない心筋梗塞・脳卒中、心臓の血流を改善する治療のいずれか。表の割合は、追跡中に起きた人数を各群の参加者数で割った値です。

心血管イベントの発生割合は6.0%と8.3%で、差は約2.3ポイントでした。追跡期間を考慮した解析では、相対的なリスクは約30%低下しました。死亡・認知症・身体機能の障害をまとめた結果には、統計学的に明らかな差はありませんでした。

今回の結果は、主に自立して生活している高齢の方を対象とした海外の研究です。心筋梗塞などの既往がある方や、介護を必要とする方への治療は、それぞれの状況に応じて判断します。

補足|コレステロールの薬の副作用は?

試験との関連があると判断された重い有害事象(健康上の問題)は、両群とも2.7%でした。

予防効果と副作用の両方を確認しながら、治療を続けることが大切です。薬を飲み始めてから気になる症状がある場合は、ご相談ください。薬の種類や量は、一人ひとりの状態に合わせて判断します。

当院からのメッセージ|コレステロール治療のご相談

年齢だけで「コレステロールの治療はもう必要ない」とは言い切れません。一方で、今回の結果が、すべての高齢の方に薬が必要という意味でもありません。

足立区・谷在家の「心臓・脳・血管のしばはし内科」では、コレステロール値だけでなく、これまでの病歴や生活の状況、ほかのお薬、副作用への心配、ご本人の希望も踏まえ、治療の必要性を一緒に考えます。

健診でLDL(悪玉)コレステロールが高いと言われた方、薬を始めるか・続けるか迷っている方は、健診結果やお薬手帳をお持ちのうえご相談ください。すでに治療中の方は、自己判断で薬を中断せず、主治医と相談しましょう。

病気や治療については、脂質異常症・コレステロールの診療のページでもご案内しています。関連コラムの「動脈硬化は何歳から?」もご覧ください。

参考文献

Zoungas S, Wolfe R, Moran C, et al.; STAREE Investigators. Atorvastatin, Cardiovascular Events, and Disability-free Survival in Older Adults. N Engl J Med. Published online August 29, 2026. doi:10.1056/NEJMoa2607314

執筆:副院長 柴橋 英次(循環器専門医・医学博士)
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