2026年9月21日

疑問|動脈硬化は何歳から始まるのでしょうか?
「まだ若いし、体調も悪くない」。それでも、動脈硬化が始まっていることはあるのでしょうか。健診で血圧やコレステロールが高いと言われ、血管への影響が気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
動脈硬化では、血管の壁に「プラーク」と呼ばれる病変ができることがあります。自覚症状がなくても、こうした血管の変化が見つかる場合があります。
今回は、臨床医学分野で世界的に評価の高い医学誌「The New England Journal of Medicine(NEJM)」に掲載されたREACT研究をもとに、若い世代を含め、動脈硬化がどのくらい見つかったのかをご紹介します。
結論|18〜29歳の若い世代でも動脈硬化が見つかりました
今回の研究では、18〜29歳の一部にも動脈硬化が見つかりました。30代ではさらに多く、年齢が高い層ほど見つかる割合が高くなっていました。
「若いから大丈夫」「症状がないから問題ない」と年齢や体調だけで判断せず、健診で指摘された血圧やコレステロールにも目を向けることが大切です。
結果|年代別に動脈硬化が見つかった割合
デンマーク・スペインの18〜70歳、16,808人が参加した研究です。心筋梗塞や脳梗塞など、動脈硬化による病気の既往がない方を対象に、2024年11月〜2026年6月の参加時に検査を行いました。
首・脚の血管を超音波で、心臓の血管をCTで調べました。3か所の検査がそろった13,186人の57.1%に、少なくとも1か所のプラークが認められました。
首・脚・心臓のいずれかの血管にプラークが見つかった割合
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18〜29歳 | 8.7% | 6.7% |
| 30〜39歳 | 34.6% | 21.3% |
| 40〜49歳 | 約66% | 約48% |
| 50〜59歳 | 約88% | 約75% |
| 60〜70歳 | 98.1% | 91.9% |
※40〜49歳・50〜59歳は論文の図2から読み取った概数です。その他は本文の数値に基づきます。
18〜29歳では男性8.7%、女性6.7%にプラークが見つかりました。30〜39歳では男性34.6%、女性21.3%で、動脈硬化は高齢の方だけにみられる変化ではありませんでした。
これらは欧州の参加者の結果で、日本人全体の割合を示すものではありません。また、今回の解析は参加時の比較であり、一人ひとりの進行や、検査による発症予防の効果を確かめたものではありません。
当院からのメッセージ|健診結果をきっかけに血管の健康を考えましょう
健診で血圧やLDL(悪玉)コレステロールが高いと言われた方、喫煙習慣や心筋梗塞の家族歴が気になる方は、若い世代でも健診結果をお持ちのうえご相談ください。
足立区・谷在家の「心臓・脳・血管のしばはし内科」では、年齢や生活習慣、これまでの病歴を踏まえ、生活習慣の見直しや治療、検査の必要性を一緒に考えます。今回の結果だけで、すべての方に超音波やCTの検査が必要になるわけではありません。
血圧やコレステロールについては、高血圧の診療、脂質異常症・コレステロールの診療のページでもご案内しています。
参考文献
Bundgaard H, García-Lunar I, Kofoed KF, et al.; REACT Investigators. Prevalence of Silent Atherosclerosis across Adult Life. N Engl J Med. Published online August 29, 2026.
doi:10.1056/NEJMoa2609059
